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お前と出会うんじゃなかった。 [小説]

*nice&ご訪問ありがとうございます!*

過去記述の家の子の小説復活させておきます!

駄文失礼!
こっそり置き土産しておきます。

雪騎視点で。
長いですよ!

駄文、誤字、脱字ご了承のうえお読みくださいませ~!



・.:*・゚゚・*:.・・.:*・゚゚・*:.・



いつも疑問に思ってることがある。

萩由は何故、俺の前で笑っていられるのか。

何故、俺と顔を合わせられるのか。


俺だったら……

俺があいつの立場なら…

絶対顔を合わせることも、
笑うことすらも、

絶対に出来ないだろう。


知らなかったとしても。



死んだ彼女が──


親友の妹だったら。






「何か要りますか?」
「……いや、いらん。」


最近、ほぼ毎日というほどこいつが通いつめて来ている。
こいつ = 萩由だ。
元クラス、研究、サークル仲間。

そして、親友だった。

…と、思う。
少なからず、俺はそうだと思ってた。


「…で?今日は何しに来たんだ?さっさと帰れ。」
「相変わらず冷たいですねぇ。」


俺の言葉を慣れたように受け流しながら、学生の実験レポートを見ては片付けている。


「勝手に見てんじゃねぇよ。」
「卒業レポートぐらい良いじゃないですか。」
「良くねぇだろ。」


かと言って、レポートは見たら放置。
何故か?
…毎年毎年提出される身にもなってみろ。
片付ける暇などない。


「……。」

―――カタカタカタ…

「……。」

―――カサッ…カサッ…


作業する音だけが聞こえる。
ふと、いつもの疑問が浮かんだ。
今は授業中。
学生が入ってくる事はない。


「…なぁ。」
「はい?」


あいつは片手にレポートを持ちながら、振り返った。


「…お前は…何で俺と顔を合わせられるんだ?」
「……。」


妹が死んで以来、久々に顔をちゃんと見れた気がする。
あいつは一瞬目を見開いた。


「普通…どんな事言われるか、どう思われてるかもわかんねーし、どう報いても許される事じゃ無いだろ。…ずっと…疑問に思ってた。」
「………。」


一言も発せず、答えになる何かを見つけ出そうとしているみたいだった。


「……すいません…わかりません…」
「…?わからない?」
「…えぇ…。僕にもわからないんです。」


困惑した顔で話すこいつが珍しかった。


「何と言うか……僕は雪騎の親友のままで居たいんだと思う。たとえ…嫌われても。」
「…それが俺への罪滅ぼしか?」
「ちがう!僕はそんなんじゃ……」


こんなにも感情を露にするのを見たのは久しぶりだった。


「僕は…そんなんじゃ…」


言葉が出ず、苦虫を噛み潰したように歯を食いしばっていた。
たぶん、こいつを一番知ってるのは俺だ。
一番こいつの気持ちが解るのも…たぶん俺だけだろう。
だからこそ……



…憎い。



「…解っている。お前が一番辛いってことも、たぶん解ってるつもりだ。」


けど、それだけじゃない。


「それに、妹がお前を好いていた理由も解る。」



妹の気持ちも…

解るような気がする。

だから余計…辛いんだ。


「お前と出会うんじゃなかった。何度も、何百回も思った。お前を知らずに憎めれればどんなに楽だったか。」


知ってるからこそ…

心の底から憎めないんだ…。


「雪騎…僕は…」
「萩由」


久しぶりにこいつの名前を呼んだ。
呼んでしまうと、昔を思い出すから嫌だった。
思い出す度に、苦しくなる。
楽しくて、仲良かった頃を思い出すと、憎む相手が居なくなるから。


「でも…俺はお前を許せない。」
「それは…わかってます。」
「なら……歯、食いしばれ。」

───バシィィッ!


俺は萩由の顔面に思いっきり拳を食らわした。


───ドンッ!バサバサバサ…

「…くっ…」


避けずに受けた萩由はよろめき、本棚にぶつかった。
ぶつかった衝撃で数冊本が散乱した。
俺の本気で殴った拳が痛かった。
その拳を広げ、萩由の目の前に差し出した。


「まだ…殴り足りないんじゃないですか?」


本棚に寄りかかったまま、萩由が呟いた。


「あぁ。殴り足りないな。けど、これ以上親友を殴る気はない。立て。」
「!!…すみません…。」


俺は萩由を引っ張りあげ、いつもの席に着いた。
しばらく困惑した様子で黙ってその場に立っていた萩由が、口を開く。


「僕は…雪騎の親友のままでいいんでしょうか…」


呟きにも似た質問が、聞こえた。
顔を合わせず、俺は答えた。


「絶交してないから良いんじゃないか?」
「…ありがとう…」


傷口は深くとも塞がらない事はない。


ならば、前みたいには戻れなくとも、前の様に近づく事は出来るだろうか。


長くなったとしても。


───end───




なんだかすいません\(^o^)/
とりあえず、萩由と雪騎はこういう関係だったんだよってのをアプしときます!

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